以下のレポートは、松竹からの依頼により作成したもので、「武士の一分」公式サイト内のブログに掲載されたものです。 |
山田洋次監督&檀れいさん 「山田会」上映会レポート
2006年11月23日(木・祝)に、宮崎県日向市にて『武士の一分』の特別先行上映会を、山田洋次監督と檀れいさんを迎えて開催した。 前日22日、東京にある鈴木映画の映写機、スピーカーをはじめとする大量の各種機材が、会場となる日向市文化交流センターに運び込まれた。 21日朝に、東京を発って、24時間以上かかって、機材を積んだトラックが日向市に着いたのである。 22日は、センターの休館日であったが、当日13時30分に開映するには、前日からの設営が不可欠で、センターに無理をお願いして、準備に入った。 「最高の画質、音質といったクォリティーの高い、最高条件で観て貰いたい。」という山田監督の特別な想いから、監督の信頼する鈴木映画に依頼した訳である。 日向市には、映画館がない。例えば、映画を観ようと思っても、車で1時間以上かかる宮崎市か延岡市に行かなければならない。そんな、映画館のない街で、山田洋次監督の映画に賛同、共感するものが集い「山田会」という組織を設立し、1994年以来、継続的に山田監督作品にこだわり、上映し続けてきた。今回もその流れである。山田監督が、上映会のために日向市に足を運ばれるのは、今回で7回目となった。 観に来られるお客さんは、どちらかというと年代層は高い。最近では、2年に一度の山田会主催の山田監督最新作の上映会でしか、映画は観てないというより、観れない人たちが多い。いわば、山田監督の映画を楽しみに待ち続けている常連さんが多いのである。 23日。あいにく天気は、少し雨模様。朝、準備のため、会場に入ると、電話が殺到している。当日券の問い合わせだ。既に、前日までに完売しており、大変申し訳ないが、丁寧にお断した。 あと、東京から取材に来られたNHKの方々も、まだ開館していない会場でお待ちになっていた。 「生活ほっとモーニング」の取材という。天下のNHKから取材を受けるまでになった(笑)1993年に会結成以来、13年目の快挙である。 10時30分、開映3時間前には、お客さんが並び始めた。「少し早いのではないですか?」と聞いても、「いや、前回は2時間前では遅かったから」と返事が返ってきた。12時30分頃には、雨の中、長蛇の列ができた。もぎりを担当したスタッフ曰く「30分、顔を上にあげる暇がなかった」らしい。 1200席弱が満席となり、13時30分から、『武士の一分』は上映された。 そして、エンドロールで最後「監督 山田洋次」と写り、映画が終わり、場内が明るくなると同時に、大きな拍手がどこからともなく起きた。お客さんの顔を見ると、なんだか、皆さんいい顔をしている。 いい映画を観ると、こうなるのだと自分一人納得した。 上映終了後行われた、山田監督、檀さんの舞台あいさつは、MC(山田会メンバー)の進行により、おふたりに質問していく形で進めた。上映後の挨拶とあって、具体のシーンの裏話みたいな話も含め、約30分いろんなお話を伺うことができ、先行上映会に花を添えることができた。 最後に、山田監督、檀さん、遠路、舞台挨拶に駆けつけていただき、本当にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。 そして、何より、ご来場いただいた皆様、最高の雰囲気の中、上映会が催せたことに、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。 お帰りの際、集まったアンケートの中から紹介させていただき、このレポートを閉めさせていただきたいとおもいます。 ●とてもおもしろかったです。 映画と一緒に泣いたり笑ったり、最後は心がじんわり温かくなりました。 そして今舞台あいさつをきいて、何倍も感動しました! またお待ちしています。 (日向市 女 25才 家事手伝い) ●全国に先駆けて(こんな田舎の片すみの)日向市で上映していただき、ありがとうございます。 そして、わざわざあいさつまで来ていただいて。 山田監督、大好きです。 (日向市 女 50才 事務職) ●一言!「すばらしい!!」 2時間の上映中、ちっとも気を抜くところがありませんでした。 あっという間に時間が過ぎた感じ・・・。 もう一度、映画館に出向きます。 どうもありがとうございました。 最後の舞台あいさつもすごく楽しかったです。 次回作 楽しみにしています!! (宮崎市 女 39才 主婦) ●33日前に妻を亡くしました。 涙、涙、涙で見せていただきました。 (延岡市 男 70才 会社員) 追伸: 檀さんは、舞台挨拶時にお渡しした花束を、翌日の福岡行の機内にまでお持ち込みになってもっていかれました。その心遣い、とても感激しました。 そして、とってもうれしかったです。 |